とにかく独立したい!公認会計士という資格との出会い
あれはまだ、世間がバブルで踊っていた昭和63年の春のことでした。
私は、埼玉大学という浦和にある地方大学の4年生になったばかりで、
そろそろ卒業後の進路を考えなければならない時期に来ていたのです。
「俺は〇〇証券に応募しようと思っているんだけど、柴山はどうする?」
こんな話が、友人との間で日常ひんぱんに行われていました。
そんなおり、はじめの頃は、経済学科に所属していたこともあり、
何となく金融関係の仕事に就こうと考えていました。
ただ、いつまでも勤め人のままでいるつもりはなく、
いずれは独立開業できる仕事をしたいと思っていたのです。
そこで最初に候補としたのは、税理士でした。
理由は簡単です。司法試験は合格率が2%ぐらいで、
受かること自体が奇跡のように思えたことがひとつ、
そして、もう少し合格率が高くて、なおかつ多少なりとも自分の専攻と関係のある経済関連の大型資格で知っていたのが税理士資格だけだった、というのがもう一つの理由です。
つまり、はじめは「公認会計士」という職業の存在すら知りませんでした。
今でも忘れませんが、ある日曜日の昼間、神保町にある三省堂書店に行って専門学校のパンフレットをいくつか手にし、近くの喫茶店でコーヒーを飲みがてら、資格の内容を興味深々に検討していました。
そこで初めて、「どうやら税理士資格よりも幅広い国家資格があるようだわい」と、
公認会計士の存在を知るにいたったのです。
別に、業務内容をこと細かく検討したわけではありません。
だいいち、「監査は公認会計士の独占業務である!」などと仰々しく言われたところで、
「カンサって、何それ?」くらいの意識しかなかったのです。
強いて公認会計士試験に挑戦してみよう、と思った決め手を挙げるならば、
それは「公認」という言葉がとてもスマートに見えた、ということと、
「独立後、年収1千万円以上も夢ではない!」というようなキャッチフレーズにとても魅力を感じたからです。案外いいかげんな動機ですみません。
なにはともあれ、簿記の「ボ」の字も知らない私は、大学受験のときでさえ1日3時間以上自習した経験がないくせに、難関資格といわれる公認会計士試験に挑戦することを、あっさりと決めてしまったのです。
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