原価計算
苦手とする人が多い、「嫌われ者」の試験科目です。
原価計算で高得点を取れない人の状況を観察してみると、
だいたい次のような悩みを抱えているようです。
(1) 商業簿記と違って、日常生活とは直接かかわりのない製造活動に関する話なので、
具体的なイメージをもちにくい。
(2) 計算手続や理屈が一見複雑そうなので、学習意欲がなかなか沸かない。
要するに、「とっつきづらい」という先入観からくる「食わず嫌い」が多いのが、
この科目の最大の特徴です。
今思えば、私も受験勉強をはじめた頃は、ずいぶんと苦労しました。
実を言うと、原価計算を好きになれるかどうかの大きなポイントとして、
自分が初心者の時に出会った講師との相性のよさが、かなり影響します。
この点、私は不運でした。
はじめての授業のとき、全くわからない専門用語が、たいした説明もなしにどんどん出てきました。
あれよあれよという間に、気がつくと消化不良のまま講義終了の時間を迎えてしまいます。
そのくりかえしで、いいかげんいやになっていたとき、だめ押しのような出来事がありました。
原価計算の勉強をはじめてから3ヶ月経ったころ、秋からスタートした早朝答練を受講したのです。
本来なら、ひととおり原価計算の学習を終えた上級者向けの答案練習会だったのですが、
少しでも早く本番形式の学習をしたいと考え、友達と一緒に申し込みました。
第1回目の結果は今でも忘れません。等級別総合原価計算という分野からの出題でした。
一応の勉強は講義でしてきたつもりでしたが、何せ講師との相性が最悪だったため、
きちんとした理解を全くしていません。
結果は……見るも無残な0点でした。
これで決定的に苦手意識をもってしまい、「このままでは絶対受からない!」という強い危機感を覚えました。
そこで、ここはとりあえず、自力で何とか遅れを取りもどそうと、得意の特別企画を考えました。
その内容は、簡単にいうと次のようなことです。
日商2級
工簿
テキスト 2回読破!
(1)書店に行って、1番薄い日商簿記検定2級の工業簿記の参考書を1冊購入する。
(2)1週間と期限を定め、工業簿記の参考書をざっと2回通読する。
やったことはこれだけです。
しかし、その効果は絶大でした。
その時を境に、工業簿記を、自信をもって学習することができるようになり、それ以降のテストでは、
合格直前まで1度として平均点を下回らなくなりました。
上級答錬ではしばしば成績優秀者に名前が載ったほどです。
ポイントは、「早いうちに期限を決めて一気に終わらせること」です。
それにより、「原価計算、あるいは工業簿記というのは、
たいていは①材料の仕入→②加工→③完成→④販売のワンパターンだったんだ」と、
自分なりに全体像を把握することに成功したのです。
原価計算は、みんなが思うほど学習する内容も多くない、
それなのにとっつきづらいとされている「おいしい科目」です。
細かい枝葉の話はとりあえずどんどん飛ばしていいですから、
2級レベルの工業簿記を理解するところからはじめてみて下さい。
きっといいことがあるはずです。
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