公認会計士物語 > 第04章 新人時代のジレンマ> 受験生から会計の専門家へ

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受験生から会計の専門家へ

公認会計士の2次試験は、すでに周知のとおり、択一試験が5月、論文試験が7月にあり、
それらの激戦をくぐり抜けてきた合格者が、10月に発表されます。
いいかえれば、10月の合格発表を境にして、それまで受験生だった者が、
晴れて専門家の一員として認められることになるのです。

ここで皆さんに考えていただきたいことがあります。
「受験生と専門家の違いは何か?」
合格証書の有る無しでしょうか?もちろん、そういう形の上での区別も大事でしょう。
しかし、最も本質的な違いは、
「お金を払って知識を買う者」と「お金をもらって知識を売る者」の立場の違いなのです。

受験生は、合格するための知識を専門学校から提供される立場にあります。
いいかえれば、専門学校から見て「お客様」になりますから、多少乱暴な表現を許していただけるなら、
教室に座ってさえいれば、テキスト等の受験ノウハウが当然のように与えられます。

一方、公認会計士は、自分の持っている知識を提供して報酬を得るのが仕事です。
専門家として「商売のネタとなる知識」は、人から与えられるのを待っているだけでは、
いつまで経っても手にはいりません。誰も教えてはくれないのです。

もっと言うなら、クライアント(お客様)が「高い金を払っても欲しい!」と思えるような知識や情報を
1つ手に入れるために、専門家は、自分の手足を使い、
何十時間もの研究や工夫をしなければならないのです。

つまりは、「与えられた知識を要領よく消化する」のが受験生の努力目標なら、
「お客様に売れる知識を追い求め・自分の商売道具とする」のが専門家の使命なのです。
だから、私は、同じ「学ぶ」という行為であっても、受験生の立場なら「学習」といい、
専門家の立場なら「研究」と、敢えて呼び分けています。

受験生から専門家になるということは、「学生」から「研究者」になることだと、私は考えています。


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