公認会計士物語 > 第05章 監査というお仕事> 実地調査

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実地調査

監査人は、大企業の公表する財務諸表が適正に会社の財務状況を反映していることを、
専門家としての目で確かめ、監査証明の形で世間に示すことをその業務の最終目的としています。


ここで、会社の財務状況というのは、簡単に言うと、主に次の2つの内容を指します。
1.決算日までの1年間で、稼いだ利益の計算過程(売上-費用など)

2.決算日現在における、会社の財産の状況

したがって、監査人である公認会計士は、「利益の計算過程が正しいこと」、
および「決算日現在で会社の保有する財産が正しく表示されていること」を中心に、
検証する必要があります。
このような目的の監査は、通常決算日以降に行われ、「期末監査」などと呼ばれています。
(これに対し、前項の「監査手続の一例」のところで紹介した、「入金・出金記録の正確性」を
検証するような手続を、「期中監査」と呼びます。)

たとえば、企業が決算日に保有している財産は、監査人が直接会社にお邪魔して、
現物を実際に確認できれば、これ以上の確実な検証方法はありませんよね。

このように、財産の現物を、監査人自らの目で数え、帳簿の金額と一致していることを確かめる
監査手続を「実査」といいます。実査は、いわば財産の実地調査なのです。

この実査という手続自体は比較的かんたんなので、2次試験に受かったばかりの会計士補が
担当することが多いのです。わたしも、新人の頃、会社の決算日には、業務時間終了と同時に、
経理担当の方と一緒になって、現金や株券の数をよく数えたものです。

場合によっては、1千万円以上の現金を数えたりすることもあるので、
ふだん小銭しか持ち合わせていない身としては、ずいぶんと緊張したことを、
今でもはっきりと覚えています。


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