教室はノウハウの宝庫だ!
私はときどき、「教室はノウハウの宝庫だ!」と言うことがあります。
実はこれには、2つの意味があるのです。
1つ目の意味は、「受験生にとっての」ノウハウの宝庫ということです。
たとえば、あるテキストを使って、独学で簿記の知識を得ようとする人がいたとします。
とうぜんのことながら、その人は、テキストを1ページ目から順に読んでいくことでしょう。
そして、1ページ目に書いてあることが理解できたら2ページ目に移り、
さらに、2ページ目が理解できたところで3ページ目に移る…
こうして、最初の項目から、順に一つ一つ、どの項目も等しく理解するための努力を払っていきます。
「そんなの、あたりまえじゃない!何か問題あるの?」
きっと、そう言いたくなる人もいることでしょう。
でも、ちょっと待ってください。
どのような教科であっても、およそ学習というものは、全ての項目が等しく重要なわけではありません。
また、どの学習テキストを見ても分かるように、1番はじめのページから、易しい順に項目が
上手く配列されている、ということはまずありえないと言っていいでしょう。
つまり、本を読み進める途中で、必ずといっていいほど、「すごく理解に苦しむ」ような学習項目に、
何度となく当たるはずです。
そんなとき、1人で勉強していると、「ここが分からなければ、とても先へは進めない!」という強迫観念に襲われるのですね。
また、反対に、その教科を得意にするためには、「他の箇所より時間をかけて、じっくり完璧に
理解して欲しい」項目が、いくつかあるのです。
そういったことも、1回目にテキストを読む段階だと、見分けることはきっと難しいでしょう。
かくして、独学で一番怖い、「重要じゃないところも、すごく重要なところも、
全く同じエネルギーと時間をかけて勉強してしまう」という非効率的な現象におちいっていきます。
人は誰でも、単調な作業を長く続けることが苦手ですから、途中で挫折、ということにもなりかねません。
その点、教室には、その教科を一足先に勉強し、合格水準までマスターした講師がいます。
彼は、自分の経験から、一度読んだら飛ばしてよい項目を知っていますし、
逆に、絶対理解して欲しい最重要項目も熟知しています。つまり、
勉強にメリハリを与えることができるのです。
また、みんなが苦手とする、暗記を上手にやるコツとか、全体像の理解の仕方とか、さまざまな学習テクニックを学べることも見逃せません。
さらに、教室で仲間ができれば、いい気分転換にもなりますよね。
このように考えると、「教室が受講生にとってのノウハウの宝庫」であることが、十分理解できるでしょう。
それでは次に、2つ目の意味です。
それは、「講師にとっての」ノウハウの宝庫である、ということです。
私の場合を例に取りますと、ある講義の直前になって、突然、「あ、これはいい教え方かも!」と、
新しいアイディアが浮かぶことが良くあります。そんなとき、そのアイディアをさっそく教室で実行してみます。
そして、受講生の反応を確かめ、「使える教え方」かどうか、ちょっとした実験をするのです。
もちろん、思いつきが全て上手くいくわけではありませんから、「これはちょっとダメかな」、という結果に終わったこともままあります。
しかし、それが予想以上に良い反応で返ってくると、「これはいけるぜ!」と意を強くし、
指導ノウハウとして、しっかり私の頭の中にインプットされます。
実は、今の私が持っている指導ノウハウは、ほとんどが毎回の講義でちょっとした実験を行い、
培ってきたものと言えるのです。
やっぱり教室は、講師にとっても「ノウハウの宝庫」なんです。
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