教室で指導をしていて、質問に答えたり、雑談をしたりしている最中に、
「あ、この人は合格する流れに乗っているな」と思えたり、
反対に、「うーん、このまま放っておいたら、ちょっと危ないな…」と思えたりすることが、ままあります。
それでは、受講生のタイプと合格可能性に、どんな相関関係があるのでしょうか?
以下に、私なりの見解を申し上げてみたいと思います。
まず、短期間で受かる可能性が高いな、と思える人の性格は、
何といっても「1つの事に深入りしすぎない」ということでしょう。
公認会計士のような難関資格に挑戦する人間としては、一見、矛盾のように思える話かもしれません。
でも、ちょっと考えてみてください。
同時に7科目を受験し、一定水準の答案を書けるようになる、とはいっても、
せいぜい数年間の勉強で得る知識ですから、各科目について長年研究をされていた学者の方々からすれば、
ある程度は限られた範囲の知識の中で勝負せざるを得ないだろう、ということは百も承知なのです。
つまり、試験委員の先生が答案の上で求めているのは、「学会で話題になっているような、
超マニアックな理論を知っていること」ではなく、「専門家なら誰でも知っているような共通の知識を、
ケースバイケースで使いこなせる」という、実務家としての素養なのです。
専門学校のテキストも、一般の専門書も、一冊の本に書かれていることすべてが
等しく重要なわけではありません。たとえば300ページのテキストがあったら、
繰り返し試験で直接聞かれる知識なんて、そのうちのせいぜい60~90ページ分くらいのものです。
つまり、実際の試験で、答案に表現するさいに核となる知識は、全体の2~3割程度で、
残りの7~8割は、その大事な箇所を理解するための飾りに過ぎません。
このあたりの感覚が鋭いと、どんな科目でも「無駄な勉強」をしなくてすみます。
つまり、先ほど申し上げた「深入りしない」というのは、言葉を変えれば、
「短期合格に必要のないところを捨てる要領の良さを持っている」ということに等しいのです。
こういった背景もあり、受かりそうな人と会話をすると、質問や雑談の中にも、
しっかりと核になる知識が入っていることに気付かされるのです。
そして、もうひとつ付け加えるならば、1つの知識と他の知識が、
うまく関連付けられて理解されているので、問題解決の引き出しがたくさん頭の中に出来上がっています。
こうなるとしめたものですね。全く新しい出題形式にあたっても、他の受験生がふうふう
言っているかたわらで、なんとかかんとか必要最小限の答えを導き出せるので、
安定して高得点が望めるわけです。
次に、なかなか合格しない人のパターンをいくつか、私の独断で上げてみたいと思います。
第1に、テストの点数が悪かった時などによく言い訳をする人は、自分の欠点を真っ直ぐ見つめられないので、
いつまでたっても苦手分野を克服できません。
こういう人は、ほとんど問題外の実力のまま、落ちていきます。
第2に、勉強のピントがずれている人は、なかなかテストの点数が上がらず、
いつも不安を抱えています。これは結構やっかいなパターンです。
ただ、こういうパターンにおちいりやすい人の傾向として、
①一つの勉強をしていると、すぐにその細かい論点にばかり目が行ってしまい、いま自分がどのあたりのことをやっているのか、という「大きな視点」がもてない場合と、②いつも1ページ目から順序良く勉強しないと気が済まず、途中でつっかえると、先へいけなく場合があるようです。
いずれの場合も、科目の「全体像」や「根本的な趣旨」という大きな物の見方をする習慣がないため、
ある問題に対して、的確な知識を引出せずに、まとはずれな答えを導いたりしてしまいます。
こういう人は、「わからないところはどんどん飛ばしてでも、とにかく全体を早く2~3回転させる」という発想に切り替えれば、あんがい良い方に流れが変わっていくかもしれませんが…
第3に、他の合格レベルの受験生に比べて「圧倒的に勉強量が少ないのに、それに気付いていない人」です。
以外にこういう人は多いんです。
ここで問題なのは、他人から見ればたいした勉強量じゃないにもかかわらず、
「自分はつらい思いをしていっしょうけんめい勉強しているのに、ぜんぜん効果があがらない」と思い込んでいる場合です。
これは、受験勉強を苦痛にしているからで、「わかってうれしい」とか、
「パズルを解いているみたいで楽しい」というような前向きな勉強ができないのが原因です。
人間、つらい努力は長続きしませんし、本人はやったつもりでも、充実感をもって努力している人に
比べると、全然レベルが違っています。
だから、第3のパターンで、受験勉強を苦痛にしてしまっている人は、ぜひ、早いうちに発想の転換をはかり、勉強の楽しみを見つけるような状況を作ることをお勧めします。
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