本の一冊も書けるぐらいじゃないとね
2007年12月07日
本の一冊も書けるぐらいじゃないとね
個人事務所を開業してから3年の間、大・中・小様々な規模の会社経営者の方々とお会いさせて
いただきました。その数、だいたい十数人くらいでしょうか。もちろん、その中には、新規契約を結ぶか
どうかの相談でお会いした社長さんも何人かいらっしゃいます。
そんななか、あるとき、次のようなことを聞かれたことがありました。
「ところで、柴山先生は、どのような本をお書きになっているのですか?」
そのときはまだ、これといって書いた本がなかったため、なにやら言い訳めいたことをいろいろと
しゃべった記憶があります。
そういえば、良い税理士の選び方について書かれていた本を読んだことがありますが、
その中に、「その税理士先生の実力を見るのに、どんな本または論文を書いているのか、
その内容を読んでみるといいでしょう」という旨の記述がありました。
専門家の能力や得意分野を知るのに、このような視点があるのだなあ、と感心したものです。
もちろん、本を出すからには、出版関係に人脈があったりとか、原稿を書く時間的余裕が必要とか、
さまざまな条件が揃わなければならないでしょう。しかしながら、専門家たるもの、常日頃から自分の
得意分野を開拓し、研究を重ねるという努力を続けなければなりません。
そうでなければ、日々変化を続ける経済の最先端に立ち続け、高度なサービスを提供することは
難しくなるでしょう。
したがって、機会さえあれば、自分の業務範囲の事柄について、本の一冊ぐらい、
あるいは論文の一本ぐらいはかけるぐらいの知識と経験をつんでおきたいものです。
公認会計士と税理士業務
2007年12月06日
公認会計士は、税理士登録をするなどの一定の要件を満たすことにより、
税理士務業務を行うことができます。
ここで、公認会計士の税理士業務について、簡単に触れておきましょう。
<税理士業務のおおまかな内容>
(1)税務代理
税務申告(つまり、代理人として申告書を提出すること)や、税務署の調査に関する主張などを
本人に代わって行うこと。
(2)税務書類の作成
税務申告書等の書類を作成すること。
(3)税務相談
税金の計算に関する事項について、相談に応じること。
※上記にいう「税務」とは、租税に関する事務のことです。
参考までに、以上にあげた業務は、税理士法の第2条に掲げられている内容を要約したものです。
つまり、業務の内容は公認会計士・税理士ともに同じです。
ただし、大企業と中小企業では、税務上、問題となる事項がかなり違ってきます。
たとえば、中小企業では、社長と株主が同一人物であるオーナー企業のケースが圧倒的に多いため、
社長さんは、「わたしの会社の財産=私の財産」という意識が強いのが通常です。
そうなると、税務上の問題として、たとえば役員報酬などの会社と社長との内部取引について、
税務上問題とならずに、有利となるようなアドバイスを、社長さんから求められたりするケースなどが多くなります。
それに対して、大企業では、株主が世間にたくさんいるため、社長さんは、
「株主から経営の委任を受けた」という意識が強くなります。
言葉はやや乱暴ですが、いわゆる「雇われ社長」ですね。
また、大企業では、その巨大さゆえに、大規模な設備投資に伴う税務上の問題とか、
支店や子会社を設置したり廃止したりする場合の税務上の影響であるとか、
扱う話は大掛かりになります。
そう考えると、同じ税務でも、大企業を対象とする場合と、中小企業や個人商店を対象とする場合では、
大きな関心事項は異なってきたりしますから、普段から会計監査などで大企業を見るチャンスの多い
公認会計士にとって、大きな会社を対象とした税務は、非常に魅力的な業務かもしれません。
公認会計士の受ける報酬
2007年12月05日
さきほどは、公認会計士という資格の評価を、「取得原価」という側面から行いました。
会計学の理論からすると、もう1つの代表的な評価基準である「時価法」で評価してみたいところなのでしょうが、
公認会計士資格のように、ある一定の人だけに与えられる権利・地位のような無形の財産は、
他人に譲渡できるものではないので、「流通価格」のようなものは存在しません(あたりまえですね!)。
そこで、公認会計士が行う業務の内容と、それに対して与えられる報酬について見ていくことで、
違った面から「公認会計士の看板」の価値について考えてみましょう。
公認会計士の主な業務を、とりあえずは会計監査とマネジメント・サービスの2つに分けて考えてみます。
会計監査といえば、通常は、資本金が5億円以上の大会社(商法)や、証券取引所などに
株式を上場しているような株式公開会社(証券取引法)が中心ですが、
そのほかにも、学校法人や労働組合など、さまざまな分野に監査業務の範囲が拡大されてきています。
どのような種類の監査にせよ、一般に、監査契約の期間は1事業年度単位ですから、
「年間でいくら」というように監査報酬の額が決まります。
そして、総資産が何百億円もある一つの大きな会社に、年間を通して何人もの会計士を送り込んで
会社の財務内容をチェックするわけですから、それ相当の時間と経費がかかります。
したがって、1件の監査契約における報酬の額も、数百万円にのぼることは想像に難くありませんね。
話は変わりますが、公認会計士が監査のために1日会社に伺えば、
だいたい5万円から10万円くらいの監査報酬がかかると考えておけばよいでしょう。
もちろん、それだけ高度な専門性が要求される仕事であることの裏返しですから、
監査をする側も、期待にこたえるべく全力を尽くします。
次に、マネジメント・サービスですが、その内容には、企業の経営診断や特定のテーマに対する
調査・分析、あるいは講演や企業研修の講師などがあります。
たとえば、ハリウッドの映画に出てくるような、それを専門として華々しく活躍しているコンサルタント
の人達のようには行きませんが、私も、個人として多少の企業診断や調査、
あるいは企業研修の講師などをやらせていただきました。
その時思ったのは、「会社経営者の方たちと話ができる程度のバランス感覚と経営知識、
それに公認会計士としての専門知識を上手に伝える表現力がとても大事な資質となる」ことです。
振り返ってみると、経営学や商法、それに原価計算の知識が、非常に役に立ちました。
さて、マネジメント・サービスに関する報酬ですが、これこそお客様との契約内容によって
様々あるとは思いますけれども、だいたい1日の仕事に対して、5万円から10万円の報酬をいただけたのではないでしょうか。
そう考えると、監査の場合と大体同じような感じかもしれません。
私の資格取得費用
2007年12月04日
まだ私が2次試験の受験生だった頃、専門学校の授業中の雑談で、先生から次のような話を聞いたことがありました。
「公認会計士の資格を持っていれば、担保がなくても300万円くらいは銀行からすぐに借金することができるんだよ」
その時は、素直に、すごい信用のある資格なんだなあ、と感心しました。
ただ、仮にそういうことがあったと仮定しても、当時はまだ平成2年で、
バブルの最中にあったものですから、ある意味かなり特殊な状況下での話だろうと、
それなりに今なら割り引いて考えなければなりませんね。
なぜなら、平成10年に、私自身、独立開業にさいして銀行に100万円程度の融資を申し込みに行ったら、案の定というか、あっさり断られましたから…(現実はそんなものです)
さて、借金の話はともかくとして、「公認会計士の資格には、どのような価値があるのでしょうか?」
というのがこの章でのテーマになります。
ここで、かなり強引ですが、会計学の世界での理論をちょっとご紹介しましょう。
会計学では、企業の持つ財産の評価について、次のように2つの代表的な基準があげられています。
財産評価の基準
1.原価基準:財産を、その取得に要した額(支出額)で評価する。
2.時価基準:財産を、その時の取引価格(時価)で評価する。
原価とは、その財産のもつ「おおもとの価値」です。取得原価ともいいます。
購入した時にかかったお金だと思っていただければよいでしょう。
そこで、この項では、公認会計士の資格を、私の場合の「取得原価」で評価してみたいと思います。
私の資格取得までの支出額表(概算) <単位:円>
平成元年(2次試験の受験勉強スタート)
①専門学校の授業料(入門コース) 550,000
②通学の交通費(月約1万円) 120,000
③書籍代 70,000
④食費など(月約3万円) 360,000
1年目合計 1,100,000
平成2年(気を取り直して、2度目の挑戦)
①専門学校の授業料(上級コース) 300,000
②通学の交通費 120,000
③書籍代 70,000
④食費など 360,000
2年目合計 850,000
平成3年(翌年に念願の合格!)
①専門学校の授業料(上級コース) 300,000
②通学の交通費 120,000
③書籍代 50,000
④食費など 360,000
⑤家賃(月3万5千円) 420,000
3年目合計 1,250,000
※3年目は、受験に専念できる環境を作るため、近くで借家住まいをしました。
受験期間(3年間)の、資格取得費用(概算) 3,200,000
以上から、私にとっての「公認会計士」という看板の取得原価は320万円と計算されました。
これだけの元手がかかっているのだから、やっぱり「スゴイ資格」なんですね。
その後、この取得原価320万円は、3年くらいで全額回収し、以降は、金銭面でも、社会的な信用の面でも、ずうっと多大な恩恵を受け続けているわけです。つまり、今思えば、「長い目で見ると、とても割りの良い投資」になったと実感しています。
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