商法
2007年11月10日
合格レベルに持っていくのが、最も遅れた科目です。
それまで、法律について考えたことなど全くなかったものですから、
はじめはどうやってこの科目と付き合ってよいものか、皆目見当がつきませんでした。
それにも増して、わたしがこの科目を苦手にした最大の原因は、
条文がすべてカタカナで表記されている点です。
情けない話ですが、勉強をはじめて最初の半年は、条文のカタカナ言葉を見るのが、
苦痛でたまりませんでした。
「この平成の世の中に、何でいまさらカタカナ言葉なんだよ!明治の時代じゃあるまいに…」
などと、仲間に愚痴をよくこぼしていました。
そんな私に一筋の光明を見出させてくれたのは、1冊の参考書でした。
それは、白露社の「会社法講義」という問題集です。
私が一番気に入ったのは、とにかく「本が薄い」、「字が読みやすい」、「表現が分かりやすい」
その3点です。
こうして見ていくと、私の受験対策上、「薄い本を数多く繰り返す」、というやり方は、科目を問わず、
非常に有効的だということが、わかります。
どんな本でも、いったん読破すると、ある種の自信が湧いてくるんですね。
案外、その自信が大事なのかもしれません。
白露社の「会社法講義」は、まず2回通読しました。そして、苦手な論点だけ、あと1回繰り返したのです。
このやり方が、みなさんに向いているかどうかわかりませんが、
やはり演習形式の薄い問題集を読破することは、とても大きな相乗効果をもたらすと思います。
そして、この本をいちおう3回程度繰り返した後に、商法全体で、
重要と思われる用語をノートに書き出し、「定義集」なるものを作ってみました。
分量は、だいたい1ページ20個×10ページ=200ぐらいピックアップして、1ヶ月くらいの間、
通学の電車の中で、覚えようとはせずに読み流しました。
あとで考えると、この勉強は、論文式の答案作成に大いに役立ちました。よかったら、試してみてください。
以上が、私が受験生時代に工夫した勉強方法です。
読んでみてお分かりいただけたかと思いますが、
どの科目も、決してはじめから順調に行っていたわけではなく、
むしろ、いったんは挫折しかけた科目の方が多かったのです。
あとは、「絶対に受かるんだ!」という執念と、「なんだ、分かってくると面白いじゃん!」という
学ぶ快感を知ったことが、受験時代の私を支えていたのだと思います。
どんな合格者だって、みんな、「はじめは初心者」なのです。
一生懸命、創意工夫して楽しく努力すれば、必ず道は開けるはずです。
明るく、楽しく頑張ってください。
経済学
2007年11月09日
私が受験した当時は、必修科目だったので、誰もが必ず勉強しなければなりませんでした。
それでいて、「数学があるからいやだ」、とか、「理論が高尚過ぎて全然理解できない」という、
悲痛な声が周りでよく聞かれました。
もしかすると、選択科目となった現在では、この科目を選ばない人が案外多いのかもしれませんね。
さて、私はというと、正直、得意な科目でした。答錬では、成績優秀者の常連でした。
そして、この理論は、やはり社会に出てから役に立っています。
だから、受験科目として選択しなかった人でも、ぜひ、合格後は基礎理論を学習してみてください。
次に、私の学習法です。経済学については第2章「公開模試で合格確実」のところでも述べています関係上、
ある程度の重複があるかもしれませんが、ご容赦のほどを。
まずはじめに申し上げておきたいのは、「数学が苦手な人でも、経済学で高得点を取れる!」
という事実です。
だいたい、私自身が「微分積分」や「行列」については、まったく高校時代に勉強せず、
数学は赤点とりまくりの状態だったのですから……(実際は、受験対策上、数学が必要な論点は意外に少ないですよ)
では、どうやって得意科目にしたかというと、まず、マクロ経済学、ミクロ経済学ともに、
ひととおり基礎講座の講義が終わった頃、薄い問題集を購入しました。
問題数は、どちらもだいたい120題程度のものです。
そして、できるとできないとに関わらず、とにかく強引に3回ずつ繰り返しました。
その間、約1ヵ月ほどです。
1回目に通した時は、悲惨でした。なにしろ、全問題の20%も正解できないのです。
「こんなんで、大丈夫かいな?」
いくら楽観的な私でも、さすがに勉強方法が間違っているのではないか、といささか心配になりました。しかし、いったんはじめた以上、結構頑固者の私は、ダメもとで2回目、3回目と、
わからないところはどんどん飛ばして問題を解きまくったのです。
すると、2回目の後半あたりから、面白いことに気付いたのです。
「あれ?この考え方、ちょっと前にも見たことあるぞ!」
何となく、似たような思考プロセスが、あちらこちらで目に入ってきます。これはどういうことでしょう。
上手くはいえませんが、科目全体を貫く「思考パターン」あるいは
「底辺に流れる大きな制度趣旨」のようなものを、少しずつ実感として身に付けていたからではないでしょうか。
たとえばミクロ経済学なら、それは「財の価格をどうやって決めるのか?」という
全てに共通する問題意識があります。
それを財の供給者である企業の側、あるいは財の需要者である個人の側で、それぞれの立場から、
少し計算手順を変えて考えているだけだ、としたらどうでしょう。
要は、「科目の全体像を実感として理解し始めた時」に、急激な進歩を実感するのです。
そして、それから少し遅れて、その実感がテストの高得点として、表面に現れてきはじめました。
こうなるともうしめたものです。
あとは、「やればやるほど理解が進むから楽しい!」という状態になります。
3回目の解き直しが終わる頃には、「ああ、これで経済学は大丈夫だな」と、確かな手ごたえを感じました。
これは受験勉強に限らないことですが、生身の人間である以上、何かを学ぶという努力は、
「根性」や「気合」だけでは続きません。
一番大事なことは、何よりも、「できる」「わかる」「もっと知りたい」という、
小さな達成感と旺盛な好奇心を持ち続けることなのです。
そういう意味では、経済学は、勉強の原点を私に教えてくれた、貴重な試験科目といえます。
経営学
2007年11月08日
現行の試験制度では、経営学・経済学・民法の中から2つ、
選択して受験するという仕組みになっています。
この点、わたしが受験した平成2年~平成4年は、まだ民法という選択科目が導入されていなかったので、
どの科目で受験するか、ということで悩まずに済みました。
ところで、3つのうちからどれを選ぶか、という問題でいきますと、
おそらく「経営学と経済学」の組み合わせが最も多いのでしょう。
民法は、条文数も1,000以上ありますし、必要な勉強量も多大でしょうから。
もちろん、それまで民法をある程度学習していて、逆にとっつきやすい、
という方には、民法を選択するメリットはあると思います。
ただ、経営学は、勉強量が少なくて済む、という特徴もさることながら、
実際に合格してから公認会計士として仕事をする上で、
かなり経営学の知識に助けられた部分があるので、
やはりこれを受験勉強からはずすのはもったいないような気がします。
誤解をおそれずに言いましょう。公認会計士が仕事をする相手は、多くの場合、上場企業、
あるいはそれに近い極めて大規模の企業です。
そして、話をする相手も、現場の職員だけでなく、ある程度ビジネスマンとしてのキャリアをつんで、
企業経営に関心のある役員だったりすることがかなりあります。
そんなときに、経営管理の理論について、全く知識がないというのは、致命的です。
会話が成立しないのです。
また、公認会計士の専門領域には、監査業務のほかに、
コンサルティング的な業務も重要な柱として存在します。
経営学を全く知らない人間に対して、高いお金を払って経営アドバイスを求める社長さんが、
どこの世界にいるでしょうか?
ややオーバーに言ってしまいましたが、経営学の知識は、企業財務のスペシャリストとしては、
必須の知識です。どうせ勉強するなら、受験勉強という絶好の機会に一気にやっておきましょう。
仮に、受験時代に勉強しなかった人は、合格後、独学でいいから、しっかり学習しましょう。
さて、試験対策の話です。
経営学は、研究の対象として考えると領域はとても広いのですが、基礎知識を除けば、
試験委員の先生によって得意分野がある程度限定されるので、
勉強方法についてそれほど神経質になる必要はありません。
どの本にも書かれているような業界の常識的な話をひととおり学んだら、
試験委員の代表的な著書を1~2冊ずつ読んでおけば、知識としては十分でしょう。
わたしは、当時試験委員だった先生の本を、3回通して読みました。
読物として見れば、1回3~4時間くらいで読破できますよ。
ただ、この点でも、専門学校のほうで事前に試験委員対策の資料を作成し、
要約の形で資料を配るでしょうから、それでも不足はないかもしれません。
わたしは個人的に好きな科目だったので、楽しんで本を読みました。
経営学の勉強は、割と早く一巡します。
「広く浅く」を合い言葉に、だいたい50~60時間くらいで2回程度回してみてください。
あとは40~50時間くらいを答案練習にあてれば、それで合格ラインにおおむね届きます。
これはわたしの経験です。
監査論
2007年11月07日
「監査」という仕事は、いわば公認会計士の「独占業務」です。
この、公認会計士にとって最も重要な職域に関して学習するわけですから、
もちろん合格後も大いに役立つ知識となります。
監査論の骨格となる資料は、「監査基準」という規則です。条文数はそれ程多くありませんので、
重要な表現は暗記するつもりで、何十回も読み込む必要があります。
また、この試験科目は、経営学とならんで合格に必要な知識が少ないことから、
短期間で、ある程度の点数が取れるようになれます。
わたしが受験にさいして行った対策は、正直言って全受験生の中でも
きわめて平均的なものだったと思います。
なお、受験生活1年目の頃、まえにも紹介した東大君が、
監査論のテキストを片っ端から修正液で白く塗りつぶし、
100ページ以上もあるテキストをおしろいのようにまっ白けっけにして、
全ての文章を暗記しまくっていたのを見た時は、「ここまでやるかい!」とあきれ果ててしまいましたが……
結局、合格してみてわかったのは、「監査論に関しては、人と同じことをやっておけば十分である」
ということです。わたしは、試験委員の先生の本を一切読みませんでした。
あくまで「基本が大事」なのです。
さて、話は監査基準の学習に戻りますが、できれば条文だけでなく、
その前に掲げられている「監査基準の設定について」という前文も、10回以上熟読してみてください。
答案で使えるおいしい表現がたくさん盛り込まれていますよ。
答錬で高得点を取る人は、このあたりの表現の使い方が上手いんです。よかったら、お試しあれ。
財務諸表論
2007年11月06日
財務諸表論は、企業の会計記録や会計報告という行為について、
理論的に考察することを目的とした学問です。
理屈っぽい話がたくさん出てくるので、細かい論点に入れば入るほど、
頭の中がごちゃごちゃしてしまいがちになります。
個人的には、財務諸表論は好きな科目でした。
だからといって、それほど答練で高得点を取れたというわけではないのですが……
これは、あくまで一般論ですが、効率よく2次試験を突破しようとするなら、
財務諸表論は「深入りしすぎない」程度にまんべんなく知識を集めるのが得策のようです。
ポイントは、「基本原則を押さえること」です。
試験にでるのは例外的または応用的な論点に関することが多いのですが、
それはあくまで「基本を知っている」うえでのことなので、
まずは「何が原則的な考え方なのか?」を常に意識して学習しましょう。
<財務諸表論の思考プロセスの一例>
ある取引 → 原則的な処理 → 例外的な処理
(基本原理) (状況に応じた修正)
使用するテキストは、おおむね専門学校のテキストと「会計法規集」で十分でしょう。
受験生のうちは、あちこちの本に手を出さないことです。かえって不安になりますから。
なお、試験委員の著書は、あくまで補助教材と考えておくといいです。
あとは、数多くの演習を経験し、「論文を書くこと」に慣れておくことが肝心です。
参考までに、私が初期の頃、財務諸表論でよく実行した学習法を以下に紹介しておきます。
(1) 会計法規集の「企業会計原則」と「注解」をコピーしておく。
(2) それを電車の通学時間に読む。重要な箇所は何度も下線を引く。
これにより、財務諸表論の基本原則である「企業会計原則」をかなり覚えることが出来ました。
原価計算
2007年11月05日
苦手とする人が多い、「嫌われ者」の試験科目です。
原価計算で高得点を取れない人の状況を観察してみると、
だいたい次のような悩みを抱えているようです。
(1) 商業簿記と違って、日常生活とは直接かかわりのない製造活動に関する話なので、
具体的なイメージをもちにくい。
(2) 計算手続や理屈が一見複雑そうなので、学習意欲がなかなか沸かない。
要するに、「とっつきづらい」という先入観からくる「食わず嫌い」が多いのが、
この科目の最大の特徴です。
今思えば、私も受験勉強をはじめた頃は、ずいぶんと苦労しました。
実を言うと、原価計算を好きになれるかどうかの大きなポイントとして、
自分が初心者の時に出会った講師との相性のよさが、かなり影響します。
この点、私は不運でした。
はじめての授業のとき、全くわからない専門用語が、たいした説明もなしにどんどん出てきました。
あれよあれよという間に、気がつくと消化不良のまま講義終了の時間を迎えてしまいます。
そのくりかえしで、いいかげんいやになっていたとき、だめ押しのような出来事がありました。
原価計算の勉強をはじめてから3ヶ月経ったころ、秋からスタートした早朝答練を受講したのです。
本来なら、ひととおり原価計算の学習を終えた上級者向けの答案練習会だったのですが、
少しでも早く本番形式の学習をしたいと考え、友達と一緒に申し込みました。
第1回目の結果は今でも忘れません。等級別総合原価計算という分野からの出題でした。
一応の勉強は講義でしてきたつもりでしたが、何せ講師との相性が最悪だったため、
きちんとした理解を全くしていません。
結果は……見るも無残な0点でした。
これで決定的に苦手意識をもってしまい、「このままでは絶対受からない!」という強い危機感を覚えました。
そこで、ここはとりあえず、自力で何とか遅れを取りもどそうと、得意の特別企画を考えました。
その内容は、簡単にいうと次のようなことです。
日商2級
工簿
テキスト 2回読破!
(1)書店に行って、1番薄い日商簿記検定2級の工業簿記の参考書を1冊購入する。
(2)1週間と期限を定め、工業簿記の参考書をざっと2回通読する。
やったことはこれだけです。
しかし、その効果は絶大でした。
その時を境に、工業簿記を、自信をもって学習することができるようになり、それ以降のテストでは、
合格直前まで1度として平均点を下回らなくなりました。
上級答錬ではしばしば成績優秀者に名前が載ったほどです。
ポイントは、「早いうちに期限を決めて一気に終わらせること」です。
それにより、「原価計算、あるいは工業簿記というのは、
たいていは①材料の仕入→②加工→③完成→④販売のワンパターンだったんだ」と、
自分なりに全体像を把握することに成功したのです。
原価計算は、みんなが思うほど学習する内容も多くない、
それなのにとっつきづらいとされている「おいしい科目」です。
細かい枝葉の話はとりあえずどんどん飛ばしていいですから、
2級レベルの工業簿記を理解するところからはじめてみて下さい。
きっといいことがあるはずです。
商業簿記
2007年11月04日
公認会計士という仕事が、企業財務に関することを中心に扱う以上、
最も必要不可欠な知識といえます。
したがって、この科目の学習をおろそかにして、2次試験の合格は絶対ありえません。
商業簿記について、受験勉強開始の段階では、私は全くの素人でした。
大学の時に一般教養で「会計学」という科目を受講しましたが、
年間で授業に出たのはたった2回でした。
しかもそのうちの1回は授業が半分も終わらないうちに抜け出すような有様でしたから、
実質は「1年で1.5回」しか出席していません。
それでも、毎年同じ試験問題しか出ない期末テスト1回をクリアーすれば単位が取れたのですから、
大学時代は、ろくに勉強もせず、楽をしていたことがよくわかります。
そんな状態でしたので、初めて簿記のテキストを開いた時は、宇宙語のような意味不明の業界用語、
いや専門用語のオンパレードに辟易したものです。
簿記というのは、日々繰り返される企業の取引を「仕訳帳」、「(総勘定)元帳」という2種類の帳簿に
記録する手続が基本となります。
この帳簿記録をもとに、企業外部の人達に企業の財務状況について報告することになるわけです。
<簿記の手続>
(企 業)
取 引 仕訳帳 ⇒ 集計・報告 株主・銀行・税務署
元 帳 など、外部の関係者
上記のような簿記の手続の特徴を踏まえて、次に簿記の学習プロセスを示してみましょう。
<簿記の学習プロセス>
ステップ1.個別取引の学習
日々の学習において、1つ1つの取引につき、以下の(1)~(3)の手順を踏むと効果的です。
(1) 対象となる「取引」について、十分理解する。
① それがどんな内容の取引か?
② なぜそんな取引があるのか?
③ その結果、企業の財産にどういう影響を与えるのか?
(2) その取引をどのように「仕訳」するのかについて、理解する。
① 仕訳の方法は1つか、あるいは複数あるのか?
② その結果、企業の財産に与える影響はどう表現されているのか?
(3) 「取引」と「仕訳」の方法を理解したら、練習問題を繰り返し解く。
ステップ2.総合問題の学習
ある程度個別取引の学習が進んだら、総合問題に取り組みましょう。
私の経験から、簿記を一気に得意科目にするための特別プロジェクトを、こっそり(?)お教えします。
(1) いろいろな分野から、広く浅く基礎的なレベルの総合問題を10題程度選び、最低4回以上解く。
(2) 4回解いて3回以上満点を取れた問題は卒業とする。
(3) 卒業できなかった問題は、繰り返し解き直す。
(4) その後、2回続けて満点を取れた問題も、順次卒業とする。
(5) 以上を繰り返し、10題全て卒業したら、本プロジェクトは終了!
以上が、「商簿克服大プロジェクト」です。
もちろんこれはあくまで特別企画ですが、普段の勉強であっても、「標準レベルの問題を繰り返し解いて、
解答手順に習熟する」というスタンスはしっかり持っておきましょう。
本番の試験では、初日の1番初めに当たる科目です。
この商業簿記の出来が以降の試験の行方を左右する、といっても過言ではありません。
少なくとも、苦手ではないといえる程度には、実力をつけておきたいものです。
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